2025河瀬昇 長浜まちなか展
●長浜曳山博物館 滋賀県長浜市元浜町 14-8 TEL 0749-65-3300
Open 9:00~17:00(入館16:30)
●文泉堂書店 滋賀県長浜市大宮町 5-14 TEL 0749-62-0048
Open 9:30~17:00 火曜日 定休
期間:3月25日(火)―5月31日(土)*いずれも入場無料

「輝虎配膳」2024 162×130.3㎝ 伊部町組 翁山
2024年に東京上野せんびゃく堂画廊で開催した「目と手のちょっと先へ展」の作品群を今回故郷長浜の皆様にご覧いただきます
主題は長浜曳山祭り 毎年4基の出番山が競って演じる子ども歌舞伎 それを支える若衆たち 街の人々 古の風情が懐かしい街の情景などです 立体を含む作品約20点 が並びます
是非 ご高覧下さい
2025年展示予定作品
by NOBORU KAWASE

「輝虎配膳」2024 162×130.3cm
2023年 長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
伊部町組 翁山 信州川中島一幕 輝虎配膳より
横柄な客 越路に堪忍袋の緒が切れた輝虎 後の上杉謙信は
烏帽子をかなぐり捨て もろ肌脱いで太刀を抜く
付き添う娘お勝は 言葉が不自由だが
琴の音色に乗せて母の命乞いをする

「大名の夕渡り」2024 130.3×97cm
2024年 長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
本町組 春日山 釣女 より
「釣女」は能や狂言から題材を取った「能取物」の一つ
また 背景に松 両袖に竹を描いた
「松羽目物」でもある
シャギリの音がにぎやかに響く
大手門通り 大勢の観衆が見守る中
大名が凛々しく歩を進める
背後に付き添う誇らしげな近親にも
盛大な拍手喝采が投げかけられる

「大名一行の道行」2024 130.3×97cm
2024年 長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
本町組 春日山 釣女 より
妻をめとりたいと願う京の大名は 春日大社に詣で願をかける
そのかいあって 可憐な上葛を妃に釣り上げ 意気揚々と帰路に着く
一方、あやかろうとした太郎冠者は醜女を釣り上げ
逆に釣り糸をくわえさせられて しおしおと付き従う
背景にはサント・ヴィクトワールにも似た
滑り台型の伊吹山を望む春爛漫の田園風景が広がり
桜や菜の花 名もない小花があたり一面に咲き乱れている

「千之助の夕渡り」2024 130.3×97cm
2024年 長浜曳山祭)り 子ども歌舞伎
御堂前組 諌皷山名物団子嫁献立 より
八幡宮前の団子屋 新婚の息子千之介と嫁のお鶴は仲が良い
それが気にいらぬ母お虎はお鶴につらく当たる
二人はいっそ心中しようと琵琶湖のほとりにさ迷い出る
夕渡りでは まだ物語の中にいる様子の息子に 祖父と父が
優しく付き添う
二人の提灯が 見えぬ行く手をほのかに照らし出す
二つ光の輪に導かれ 静々と歩を進める千之助
描き進むうちに 提灯に照らされて夜道を歩くイメージが浮かんだ
幼い日の体験なのだろうか 提灯が地面に落とす光の輪
おぼろげにつづく細道を いったい どこに行くのか
光の輪が照らす 足元を見やりながら ぼんやりと ゆらぎつづける

御幣使の夕渡り」2024 130.3×97㎝
2024年長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
御堂前組 諌皷山の夕渡りの情景より
夕渡りは 4月13日の夕刻 長浜八幡宮から大手門通りを
親族らに付き添われた役者たち それに続くシャギリ隊らが
練り歩くのである とっぷりと夕闇に包まれた神社の境内は
ところどころに赤く焚かれるかがり火が人々の気分を高める
中央に各山の参列者が居並ぶ中 その周囲には大勢の見物客もつめかけている 各山組のにぎやかなシャギリの笛の音や威勢の良い若衆たちの「ヨイサー」のかけ声が闇の境内に響き渡る
一番山の諌皷山の先頭には 御幣使だけでなく三番叟の演者の顔も見える

「侍従太郎の夕渡り」2023 72.7×53cm
2023年 長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
瀬田町組 萬歳楼 御所桜梁川夜討 弁慶上使の場
侍従太郎は 主君のために命を差し出す
その雄姿に近しい人たちが寄り添い
夕渡りの道中を歩む

「知慧内 実は御厨鬼三太の夕渡り」2023 72.7×65.2cm
2023年 長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
呉服町組 常磐山 鬼一法眼三略巻 今出川菊畑の場
鬼三太はひょうきん者だが 寅蔵 実は牛若丸の忠実な部下である その主人に実の兄弟の殺害を命じられるが 人の道に反するとかたくなに拒む
そんな人情味あふれる鬼三太が 夕渡りで見得を切る

「常磐山の稽古場情景より」2023年72.7×65.2cm
2023年 長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
呉服町組 常盤山 鬼一法眼三略巻 今出川菊畑の場
川村先生苦心のきめポーズ
指導に応えようと 必死に演じる役者たちが初々しい

「孔雀山千穐楽の情景より」2023 72.7×65.2cm
2023年 長浜曳山祭り 子ども歌舞伎
各山の千穐楽も次々にお開きになり 灯りやシャギリが消えてゆくのは寂しいものである そんな中 駅向こうの孔雀山 まだまだ終わらないと若やいだ音色を響かせている
役者と家族がなごり惜し気に記念撮影をしている

「まちなかを練り歩く神楽」
2023年72.7×50.6cm
春3月 豊国神社の大祭に合わせ
神楽がまちなかを練り歩き
家々の繁栄 祭りの成功を祈願して回る

「文泉堂書店前に集う旧友たち」2024 91×72.7㎝
2023年春 まちなか展会場にて
滋賀県立高島高校の美術部の懐かしい面々
いつしか年月は流れ
かつての紅顔の美少年たちも
好々爺に変貌している
画面左端は文泉堂のご主人 吉田氏

「せんびゃく堂画廊に集う旧友たち」2024
91×72.7㎝
23年秋 せんびゃく堂まちなか展会場にて
滋賀県今津町立今津中学校の
同級生を主とした懐かしい面々

「せんびゃく堂画廊に集う旧友たち2」2024
91×65.2㎝
23年秋 せんびゃく堂まちなか展会場にて
滋賀県立高島高等校の同級生
みんな元気そうでなによりだ

「囃子の少女」2023 60cm h