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ここだけの話
気がつけば ほぼ四半世紀が経過していますが 「アメリカ現代芸術は何を残したか」を書いたのは ちょうどミレニアム 二〇世紀から二一世紀への切り代わり が近づく時期の数年です
幼少時から ただただ 夢中で描いていた 雑誌の挿絵や漫画のコピー それが 私の絵でした
高校の美術教師に 絵を続けるなら デッサンを勉強して 美大に行きなさい と諭された
どうやら 私の描いていたのは 本物の絵ではなかったらしい
2年浪人して 運よく美大に入った
美大 そこは 芸術といえば 古典・近代のそれで 時間が止まったかのような世界だった
そこで 唯一 勉強したのは古典技法でした
フランドル古典絵画は 本物の絵であったし 好きだった漫画や挿絵に どこか近かい空気があった
しかし 時代は アメリカン・アートが全盛の二〇世紀後半である
ポップ・アートでは 漫画が なんと そのまま芸術になっている
なんだ 漫画で良かったんじゃないか どこか納得がいかず ちょっと騙されたような気分もした
美大の先生たちの大半は 古色蒼然の画壇 での仕事に忙しいらしく 現代の変動には 知らぬ顔を決め込んでいる様子だった
大学に残れそうもないので 都立高校の美術教師になった
そうするうちに 時は流れ 気づけばミレニアムが近づく 学生時代に ぐずぐずしていた 芸術の不確定な問題は そのままになっている
このままだと まずい
今 自分の思うところをまとめて 前に進まねば 無為の人生になってしまう ...
自分の視界に 片付かないまま 雑然と 映っている 芸術・文化の風景を 総ざらいして その洗い直し作業で 何がしか 自分のもの 自分の考え をつかまねば と思った
そして ちょうど2000年に自費出版したのが この著作です
現在 世界の混沌は より深まって行くようでもあり かつてのこの論も リライトして再発表する意義は あると思われ HPに採録し始めました
皆様に 目を通していただければ 嬉しいです 2024.11.04
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